「撮りにくいなぁ」・・・これが第一印象だった。茅葺きの言葉の中に、白川郷のイメージが残っていたためかも知れない。ファインダーを覗きながら、なにか別のものが混じってしまう感じが強い。
30分ほど歩いてみて、ここには「現在の生活が同居」しているためだと判った。茅葺きの棟に続いて、スレートの屋根がつながるし、温水器などが見える。
←茅葺きの棟に「今日の様式」が
茅葺きを守りながらも、今日の生活が便利になるような建物と設備が同居している。観光としての茅葺きをイメージしていると、今日が割り込んでくる。これが「撮りにくいなぁ」の原因のようだ。
民宿が2軒あったが、観光土産物屋は、府道38号線沿いの1軒のみ。集落の中には、ない。
「ここには生活があるんだ」と判ると、混じっている別のものに、興味をそそられる。茅葺きの家の方と話して見たい衝動に駆られた。しかし、どの家の扉も、固く閉まったまま。
この集落の方にとって、無遠慮な観光客や観光バスは、茅葺きの屋根と同じように「重荷そのもの」かも知れないな、と感じた。
覗き込んではイケナイ観光地。「撮りにくいなぁ」・・・それは「仕方がないな」、そんな思いになった。
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